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公募要項

結晶は周期配列した原子から構成されており、その周期性を乱す領域は、従来欠陥として結晶中から無条件で排除されるべきものと考えられてきた。本研究領域の目的は、この先入観を打ち壊し、完全性を乱す領域を意図的に導入した結晶構造(特異構造)の物性を詳細に解析し、理解することにより、非完全性と完全性が共存する特異構造の結晶科学・物性科学を構築することにある。さらに、一歩進んで積極的にこれを利用することで現在のエレクトロニクス技術を超える特異構造を活用した新機能エレクトロニクスを創出する。具体的には、Ⅲ族窒化物をはじめとするさまざまな半導体結晶を主な研究対象として特異構造の科学を明らかにし、従来の照明、通信、情報処理、電力制御、創エネルギーといった応用に加えて、農学、医学、薬学、合成化学など様々な新しい応用分野へ波及効果を及ぼす結晶科学と工学を創出する。

本研究領域においては A01:特異構造の作製と拡張結晶学の構築、A02:特異構造の作製と新規エレクトロニクス展開、B01:特異構造の局所結晶評価と欠陥物性、B02:特異構造の光物性解明と機能性探索、という4つの研究グループが相互に連携しながら研究を進めていくが、公募研究では特異構造の作製技術・評価解析技術・素子応用技術、また、特異構造・拡張結晶学に関する理論構築などの分野で公募を実施する。特に、第一原理計算などを用いた計算科学や結晶欠陥の形成・物性などにかかわる基礎分野からの提案を含め、斬新なアイディアを試す若手研究者からの萌芽的研究の提案を期待する。また、特異構造の化学反応への応用など新しい応用技術開拓の提案も歓迎する。

12 特異構造の結晶科学:
完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス

領域略称名: 特異構造の科学
領域番号: 2801
設定期間: 平成28年度~平成32年度
領域代表者: 藤岡 洋
所属機関: 東京大学生産技術研究所
研究項目 応募上限額
(単年度)
採択
目安件数
A01 特異構造の作製と拡張結晶学の構築 展開研究:400 万円
基礎的実験・理論:200 万円
3件
10件
A02 特異構造の作製と新規エレクトロニクス展開
B01 特異構造の局所結晶評価と欠陥物性
B02 特異構造の光物性解明と機能性探索